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  • 2014.09.06 Saturday
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そういえばここ数年海で泳いでないな

夏といえば海水浴、海水浴といえば泳いだりサーフィンだったり、泳ぐといえばセイン。
そんなわけでナンバーズ達の夏休みっぽいお話を一つ。
わりと個人的なイメージで書いているので本編と性格が違う数の子がいたりする…かも。
今回は流石にアインスさん未登場、というかナンバーズとアインスさんってどうからませればいいんだろうか?
司書長の付き添いとか無限書庫に研修に来たナンバーズとかそんな感じ?






「ん〜、やっぱり潜るのは気持ちいいねぇ〜♪」
「それってISとか関係してるのかい?」
「う〜ん、どうだろう?これを使いこなすために散々訓練したから関係なくはないと思うよ。」
「ってことはISと趣味・趣向の間に因果関係はなくはないって所なのかな。」
「もしそうだったらチンク姉とか爆弾趣味の危ない人になっちゃうよ。」
「それでいて植物みたいな平穏を目指してたりしてね。」
「「あははははー」」


「ほ〜う、中々興味深い話をしているな、セイン。それに司書長殿も。」
「「!!?」」


ども、ついさっき『口は災いの元』の意味を身を持って知ったナンバーズの6番目、セインです。
今私達ナンバーズ更生組とギンガ先生、そしてユーノ先生はとある観測指定世界に来ています。
えっ、更生プログラム中の私達が何でそんな事できるのかって?
それを今朝の事でした。

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「今日の講習は海で救援活動の実技訓練です。」
「「「…はい?」」」
「あっ、海って言っても次元航行部隊じゃなくて文字通りの海よ。」
「いや、それは分かりますよ。」

ギンガ先生の突然の発言に私を含む姉妹の全員は戸惑った。
だって昨日聞いた予定じゃ今日は施設内のプールを使った講習のはずだし。
こういう講習の時だけは絶対に忘れない私の記憶力に間違いはない。
しばらく止まっていると、沈黙を破るようにチンク姉が口を開いた。

「ギンガ先生、何故海に行くんだ?」
「プールと海じゃ色々と違うし、何事も経験が大事だと思ってね。」
「でもよぉ、あたしら外に出ちゃいけないんじゃなかったか?」
「それはちゃんと許可取ったから大丈夫よ。あと、ちゃんと敬語使いなさい、ノーヴェ。」
「はいはーい、海って事はサーフィンも出来るッスか?」
「ダイビングも出来たりしますかー?」
「一通り講義が終わったら自由時間を設けてあるから思いっきり遊べるわよ。」
「やったー!ほら皆、講習なんだしさっさと準備しろー♪」
「そうッス、セインの言う通りッスよ!」
「おいギンガ、こいつも敬語使ってないのに何で注意しなグボァ!?」
「呼び捨てな上に言葉使いも汚いなんてお姉さんとして悲しいわ。」
「誰がお姉さんだ!つうか口より先に拳が出るやつに言われたくは…いえ、なんでもないですハイ…。」

左手をキュインキュインいわせたギンガ先生に口を閉ざさざるを得ないノーヴェ。
どうでもいいけど左手はそのまんまなんだね、ギンガ先生。
そんな妹を余所に今まで会話に参加していない双子の方を向くと、相変わらずポヤヤンとしていた。

「オットー、ディード、二人は楽しみ?久しぶりに外に出られるわけだし。」
「私はオットーがいれば十分ですから特にどうとは思わないです、姉様。」
「僕もディードがいればどこでも楽しいです、セイン。」

うん、やっぱり相変わらずだなぁ二人は。

「あのギンガ先生、一つ聞きたいのですが。」
「何かしら、ディエチ?」
「局内の施設を使えば海と同じ条件を作れると思うのですが何故わざわざ管理外世界まで行くのですか?」

確かにディエチの言う通りわざわざ外でやる程の事じゃないと思うんだよね。
一応私達は犯罪者なんだし、監視って意味でも施設でやった方が楽だろうし。

「だってどうせ遊ぶなら本物の海の方がいいじゃない♪」
「遊ぶ事がメインなんですか!?」

私達に社会常識を教える立場にあるまじき発言だなおい。
まぁ、私達の事も考えてくれているし、何より久しぶりに外出できるからどうでもいいんだけどね。

「ほらほら、早くしないと次元航行艦の出航時間になっちゃうわよ。せっかく許可もらったんだし急いで準備してね〜。」




そんなわけで私達は今、第193観測指定世界にある南の孤島で講習前の海水浴を楽しんでいます。
ギンガ先生の話によると生態系が特殊とか何とかでこの島を含めて幾つかの場所以外は立ち入り禁止だとか。
観測指定世界ってのは色々な理由で人の手を加えないでおこうって世界の事らしいけど、詳しくはよく分からないや。
とにかくこの白い砂浜に見渡す限りの水平線、素晴らしい青空、どれをとっても新鮮だなぁ。

「にしてもユーノ先生も来るとは思わなかったよ。」
「本当はゲンヤさんが来る予定だったんだけど、部隊の方で外せない用事が出来たらしくてね。それでギンガから急遽要請が来て引き受けたってわけ。」

ユーノ・スクライア。
結構前にギンガ先生が臨時の講師として連れてきた先生さんで、でっかい図書館のお偉いさんだとか。
初めて会った時はトーレ姉と同じ位背が高いのに線が細くて髪もサラサラ、何より私に似た女性っぽい綺麗な声だったから女の人かと思ってたなぁ。
その事を話したら軽く凹んでたのも良いネタ…もとい、良い思い出です。
そんな先生との馴れ初めを高速思考(所要時間0.5秒)で思い出してたら、ふと疑問がわいた。

「そういえばユーノ先生って忙しいんじゃなかったっけ?そんな簡単に引き受けてよかったの?」
「ここしばらく働き詰めでそろそろ休みたいなぁ、って思ってた所だしちょうど良かったよ。」
「いや、これ私達の講習で遊びがメインじゃないんだけど…。」

ギンガ先生といいユーノ先生といい普段真面目なのに、時々遊びたがりになるんだよね。
でもまぁ、きちんとやる事はやってるから大丈夫なんだろうなぁ。
それに固っ苦しい講習ばっかじゃ眠くなるヤツ(私含め)がいるからその方がありがたいから良いんだけど。

「あはは、分かってるよ。その為に色々と準備してきたんだし。」
「へぇ、それは楽しみにしていいのかな、先生さん?」
「ご期待に沿えるよう頑張るよ。」

実際ユーノ先生の講習は分かりやすい上に楽しいんだよね。
この前なんてフローターフィールドでアスレチック作って講習の間ずっと遊んで…もとい山岳訓練してたし。


準備運動を兼ねてしばらく遊んでいると、ギンガ先生から号令があって課外講習が始まりました。
と言っても、ものの数分で終わって即自由時間に突入しちゃってやんの。
講習中から既にギンガ先生は水着にシャツだったから予想はついてたけど。

「あれっ、ユーノ先生何か用意してたんじゃないの?」
「うん、用意してたよ。…遊び道具を。」
「講習の用意じゃなかったの!?」
「だって突然の要請だし、元々ギンガの講習があるんだから必要ないでしょ?」
「いや、そうだけど…う〜ん、どうなんだろう…。」

ふと先程の言葉を思い出してユーノ先生に聞いて見ると、こんな答えが返ってきた。
せっかく久しぶりにユーノ先生の講習を受けられると思ってたのに…って、私ってこんなに真面目だったっけ?

「それでどんな物を持ってきたんですかー?ビーチボールとか?」
「残念ながらハズレだよ。正解はコレ。」

そう言うとユーノ先生は虚空から緑に黒のラインが入った球体を取り出した。
便利だよねぇあの魔法、確か圧縮魔法だっけ?

「なんですかそれ?」
「スイカって言う食べ物だよ。第97管理外世界の植物で、夏に食べるものなんだって。」
「はぁ。」
「で、ちょうどコレを使った遊びがあるから皆でやってみようと思ってね。セインもやらないかい?」
「せっかくだけどダイビングに行きたいんで妹達に…。」
「そんな事言わずにセイン姉もやるッスよ〜。」
「えっ、ちょっ、引っ張らないでウェンディ〜…!」

今日はずっとダイビングを楽しもうと思ったのに後ろから来たウェンディに引っ張られてしまった。
抵抗はしたけど悲しいかな腕力じゃ叶わないのでズルズルと引きずられる羽目に…。
うぅ、後で覚えてなよウェンディ。

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「それじゃあユーノさん、回しますよ〜。」
「そのまま真っ直ぐ進むッス!」
「少し右に寄り過ぎだって。あぁ、今度は左に行き過ぎだバカ!」
「そこから右38度で8歩ほどです。」
「オットー、そんな正確なヒントは駄目なのよ?もっと右往左往させないと。」
「右に13歩、次に左に5歩、さらに右に6歩です。」
「いや、文字通り右往左往させる物でもないと思うよ、ディード。」

目隠しをして周りの人の誘導でスイカを割る『スイカ割り』。
なるほど、割る役も誘導役も楽しめるっぽい面白い遊びだねぇ。
ダイビングもいいけど、こういう遊びも悪くないかな。

「ユーノ先生ー、そこから回れ右して少し行くとスイカだよー。」
「ふむ、そこで思いっきり振り下ろせ、ユーノ先生。」
「…それ!」

振り下ろされた棒はスイカの頂点に見事命中し、小気味良い音と共にスイカがバラバラに砕けた。
あらかじめ引かれたシートの上で割れたスイカをギンガ先生が回収し、私達に振舞われた。
…ふわぁ、スイカって甘くて美味しいや。
黒い粒をいちいち取らなきゃいけないのが面倒くさいけど、水が一杯入ってて今まで食べたことがない味。

「それじゃあ次は誰がやる?」
「はいはいはいー、あたしがやるッスー!」
「私もやりたいな〜。」
「あたしもやってみたいです。」
「僕は誘導役で十分です。」
「私もです。」
「チンク姉はどうする?」
「姉は妹達の後で参加することにするよ。」

ユーノ先生から目隠しと棒を手渡されたウェンディは調子に乗ってグルグル回りすぎてフラフラしすぎだった。
私達が誘導しても変な方向に動き回って、仕舞いにはノーヴェの脳天にお見舞いして鬼ごっこに突入しちゃった。
いや〜、その時のノーヴェの顔は面白かったなぁ。
ちなみに、機人としての能力はつまらなくなっちゃうから禁止って事になってる。
なにせ全員無視界でも周囲の状況を把握できる上に、私なんて手にも目がついてるからねぇ。
さぁ、次は私の番、華麗に割ってやるぞ〜♪



「…うぅ〜…。」
「あっはっは、セイン姉面白いッスよ〜。」
「ふふ…まさかスイカが割れないとか……狙ったのかセイン?」
「狙ってないよ!あれが硬すぎるんだよ!!」
「大丈夫ですセイン姉様、スイカという野菜は硬いほうが美味らしいです。」
「それフォローになってないよ!?」

はりきったものの、私の初スイカ割りはスイカが割れないという非常に情けない結果に終わりました。
うん、アレはスイカが悪いんだ、私が非力なんじゃない…。
…同じスイカを使ったディードがあっさりと割ってたけど、私は非力じゃない…はず…。

「皆、スイカ割りはどうだった?」
「うむ、存外悪くなかった。ああいった遊びもあるのだと勉強になったよ。」
「割れなかったのは悔しいけど結構楽しめたよ。」
「僕も楽しかったです。」
「まぁまぁ、って所だな。スイカは美味かったけど。」
「全てが初めてで新鮮でした。」
「すっごい面白かったッスよー。あのスイカって野菜、今度おやつに出してほしいッス。」
「オットーや姉様方と同じく楽しかったです。」
「私もスイカ割りは初めてだったので面白かったですよ。」

結局持ち込んだスイカを全て消化したのはスイカ割りを始めてから2時間くらい経ってから、と皆大いに遊びつくしました。
いや〜、後半になるにつれて回転数が増えて転ぶ姉がいたり思いっきり空振りする妹がいたり最後まで割れない私がいたりしたなぁ。
ここまで皆で一緒に遊んだのはもしかしたら初めてかな?
提案してくれたユーノ先生に感謝だね。
それにしても10個近いスイカを全て収納できるなんて、圧縮魔法ってホント便利だよねぇ。

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「帰還時刻まであと1時間弱、思いっきり海を堪能しましょう。」
「「「おー!」」
「それからこの島は何処かの女の子だらけの島みたいに大きな渦に囲まれてるからそんなに遠くには行かないでね。」
「「「はーい。」」」

スイカ割りも楽しかったけど、せっかくの海なんだしダイビングもしたかったので早速水中眼鏡を手に海に向かう。
たとえ腕力で姉妹に負けていようともこの身は戦闘機人、ISを最大限活かすために潜水(いや潜地かな)用の機械が仕込まれているからそれ一つで自由時間の間位は余裕で潜っていられる。
前にユーノ先生にその事を話したら『サイボーグ008みたいだね。』って言ってたけど、セイン(6)なのに8ってどういう事だろう?
ちなみに、水中眼鏡をつけるのは海の景色を直に見るためと海水が眼に入ると痛いから。

「う〜ん、1人で潜るのもいいけど他に誰か誘おうかな。」

1人より2人の方が色々と楽しめるだろうし、そうと決まれば誰を誘おうかな?
セイン姉はギンガ先生、ノーヴェ、ディエチとビーチバレーするって言ってたしウェンディはサーフィンだろうから無理。
双子はなんかでっかい砂のオブジェ作ってたから声かけ辛いし、ここは余り者同士組もうかな。
なんて考えているとちょうどその人が歩いているのが見えたので呼びかけながら駆け寄る。

「おーい、ユーノ先生〜。」
「ん、何、セイン?」
「一緒にダイビングしない?1人じゃなんか味気なくて。」
「あーごめん。先にウェンディに誘われちゃって、サーフボード取りに行く所なんだ。」
「えっ、そうなんだ。んー、先約があるんだったらいいや。」

いつの間に約束したんだろ、ウェンディ?
せっかくユーノ先生で遊べるチャンスだったのになー。

「もし良かったら後で行ってもいいかい?僕も久しぶりにダイビングしてみたいし。」
「いいよー…って、ユーノ先生ダイビングしたことあるの?」
「うん。昔海底遺跡の発掘依頼を受けた事も何度かあって「ユーノさん、まだッスかー?」…おっと、お呼び出しだ。それじゃあまた後でね。」

そう言うとユーノ先生は簡易ロッジの方へ走っていった。
一緒じゃないのはちょっと残念だし海底遺跡の話とか興味あったけど、また後で聞けばいいか。
さ〜て、いざ行かん憧れの深海へ〜、なんてね。





『海の中って綺麗だなー。地中じゃ何にも見えないから泳ぎながら何か見えるのっていいなぁ。』

ダイビングを始めて早30分、私は海中散歩と洒落込んでいた。
砂浜から見た海とは打って変わって世界が藍色で染まってて、珊瑚礁がそこらかしこに広がっている。
そこをカラフルな魚が一杯泳いでいる光景はまるで…えっと、なんだっけ?
まぁ、いいや。

『ISが使えない状態じゃこんな風に自由に泳ぎまわるのも難しいし、もっと深くまで潜ってみよーっと。』

一応施設にプールが備え付けられているけど、狭くて浅い(といっても普通の25mサイズはある)から物足りなかったんだよね。
このどこまでも潜っていける感覚はそうは味わえないから今のうちに十分堪能しよう。



『…飽きた。』

それから10分後、我ながらどうかと思うけどすっかり飽きが来てしまいました。
だって飽きちゃったものはしょうがないじゃん。
確かに綺麗なんだけど見慣れてくるとどこも同じ風に見えちゃうし、そりゃあ飽きるよ。
コレで1人じゃなかったら飽きずにもっと色々出来るんだろうけど…。
(あーあ、ユーノ先生まだかなぁ…。)なんて思いながらボーっと泳いでいた私は、ここがどういう場所だったかすっかり忘れていた。

『なっなに、急に流れが!?』

そう、いつの間にか流されて島を囲む大渦の区域に入ってしまったらしい。
右に左に洗濯機に入れた服のごとく流されてしまう私。
呼吸の方はまだ余裕があるけど、この速さで岩とかにぶつかったら無事じゃすまない。

『このぉ、セインさんを舐めるなよ!』

激流な上に360度泡だらけじゃ視覚なんて在って無い様な物。
あらゆる感覚器を全開にして波の流れを全身で感じ取って流れに乗ろうとするけど、こんな速さじゃ余裕なんて全く無い。
いつぞやかさせられたトーレ姉とのトレーニングだってこんな目まぐるしくなかったのにー。
それでも高速で近づいてくる岩を感じては直撃しないように腕や脚を使って体を逸らす。
この動きをあの時のシャッハさん相手にやっていたら戦況が変わってたんじゃないかって位、今の私は波に乗っている。

『でも、このままじゃジリ貧だよぉ…。』

私達ナンバーズに備わった動作データのフィードバックや強固なフレームのおかげで何とか致命的な事にはなってないけど、それでも負荷が徐々に溜まっていくのが分かる。
だって段々体が油切れたみたいな動きになってきてるし。
こんな事考えられるって事は意外と余裕あるのかなぁ、なんて思ってたら。

『! こんなところで魔力反応!?』

どさくさで起動していた魔力センサーが微弱な反応を感知した事に一瞬意識をとられてしまった。
その直後、頭に硬い物がぶつかった感じと共に私の意識は深い闇に沈んでいった…。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「……ン、………」
「………丈………イ……!」

周りの騒がしさに段々と意識がハッキリしてくる。
全く、朝っぱらから皆元気だなぁ…って、背中にザラザラする物が当たってるし光も強いような…。

「う…ん、おはよ〜みんなぁ…。」
「セイン!?分かるか、姉の事が分かるか!?」
「何言ってるのさーチンク姉、ふわぁ…、当然じゃんー…。」
「ふぇ〜ん、良かったッスよセイン姉〜!」
「うわっ、どうしたのさウェンディー?」

泣き顔で抱きついてくるウェンディを引き剥がして、まだボーっとする頭で周りを見ると皆泣きそうな顔で私を見ている。
ユーノ先生はバリアジャケットに着替えてるし一体どうしたんだろ?

「えっと、ディエチ、何がどうしたの?」
「セインは海で溺れて気を失っていたんだよ。」
「海?溺れる?…あっ。そうか、私は大渦の中で失神しちゃったんだ。」
「潜行役が溺れちゃ世話ないぞ。全く、心配かけさせるなよ…。」
「あはは、ごめんねノーヴェ、皆。」

頭を撫でてあげると涙を浮かべつつ「ふ、ふん…。」って言いながらそっぽを向くノーヴェ。
本当に心配かけちゃったんだなぁ…。

「でも、どうやって助かったんだろ…?鯨みたいに浜に打ち上げられたとか?」
「ユーノ先生が助けてくれました、セイン姉様」
「先生が?」

ディードの言葉を受けてユーノ先生の方を向くと、先生は優しく微笑みながら答えてくれた。

「うん。約束通りセインが潜っている所まで行ってみたんだけど見当たらなくてね。それで周りに探索魔法かけたら大渦の方に反応があったから急いで飛んで行ったんだ。」
「そうなんだ。海なのに飛ぶってどういう事?」
「文字通り飛行魔法で飛んだんだ。バリアジャケット着ていけば少しは水の抵抗も軽くなるしね。」

なんかちょっとドキッとした。
あの激流の中で私を見つけて助けてくれたんだ。
もしユーノ先生がいなきゃ死んじゃってたかも知れない訳だし、命の恩人さんだね。
って、ちょっと待って?

「ユーノ先生、探索魔法ってどんな風に展開したの?」
「とりあえず潮の流れからセインが行きそうな範囲を想定して、その全域にソナーみたいな感じで魔力を通したけど。」
「…………のに。」
「えっ、何?」
「あの魔力反応が無ければ痛い思いせずに済んだのに!」
「うぇ!?ご、ごめんなさい…?」

助けてくれた事にはすっごく感謝してるけど、ソレとコレとは別問題。
あれが無ければあんな情けない終わり方にならず、ユーノ先生にカッコいい姿を見せられたかもしれないのに。
でもまぁ、助けてくれたわけだしチャラにしてあげようかな。

「セイン。」
「ん?あっ…ギンガ先生…。」

振り向くとそこにギンガ先生がいた。
心配してくれてたみたいだけど、多分すっごく怒られるんだろうなぁ…。
なんたって偶然とはいえ行っちゃ駄目だって言われてたところに入っちゃったんだし。
でも、そんな考えに反してギンガ先生は突然頭を下げた。

「ちょ、何してるのさギンガ先生!?」
「ごめんなさい、セイン。私の不注意で貴女を危険に晒してしまったわ。」
「これは私が悪いんだって。つい夢中になって流れに気が付かなかったんだし。」
「事前に島の周辺をもっと調べておけばこんな事にはならなかった…。完全に私の不手際よ。」
「いいっていいって。こうやって助かったんだしさ。」
「でも…。」
「まぁまぁ、ギンガ先生。本人がそう言っているのだからそれ位にしておけ。」
「そうだよギンガ。後悔するよりも反省して次に活かす方が大事だよ?」
「…そうですね、チンク、ユーノ先生。」

二人の言葉で落ち込んでたギンガ先生の表情に明るさが戻った。
うん、やっぱり笑ってる方がギンガ先生らしいよね〜。
それに私が気にしてないのにズルズル引き摺られても如何したらいいか困るしね。

ぐ〜〜〜。

「…ぷっ、何腹の音鳴らしてるんだよセイン。」
「あはは〜、なんか色々あってお腹空いちゃったよ。早く帰って美味しいご飯食べよ、ギンガ先生♪」
「ふふ、そうね。それじゃあ今日は私の手料理でも振舞っちゃおうかしら。ユーノ先生もいかがです?」
「ありがたく同伴させてもらうよ。」
「だったらハンバーグカレーがいいッスー!」
「僕の分は8辛で。」
「私の分は甘口でお願いします。」

上空で待機していた次元潜行艦に向かって階段状に展開されたウィングロードを通って戻るギンガ先生と姉妹達。
双子だけは空を飛べる(今は制限されてて低速でしか無理なんだって)ので皆の横をフワフワと付いていく。
そして私は大事を取ってユーノさんにお姫様抱っこで連れて行かれています。
ノーヴェとかに頼もうとしたのに、強引に抱えられてちょっと恥ずかしかったなぁ

そんなこんなで色々あった私達の特別講習は幕を閉じました。
ちょっと死に掛けたけどスイカ割りやダイビングも出来たし、何よりユーノ先生と一緒に遊べたから良かったかな。
でも、当分は施設のプールで十分かなぁ…安全だし。

〜終われ〜










〜おまけ〜

「しっかし、今日は最後の最後で救援活動講習の意味があったなぁ。」
「うん、セインにとっては良かったんじゃないかな?」
「私としては経験したくなかったけどねー…。」
「ディエチ姉様が言っているのは溺れたことではなくて…。」
「その後の救援活動の事だと思うよ、セイン。」
「ん、どういう事?」
「セイン、今日の救援活動の講習内容を思い出してみろ。」
「えっと…、被災地ではどういう活動が必要かの説明があって、その後に現場での応急措置のやり方を…応急措置?」
「いや〜、私達がギンガ先生に連れられて行ってみたらユーノ先生が応急措置しててビックリしたッスよ。」
「それってもしかしなくても…。」
「心臓マッサージと人工呼吸です。」
「…きゅう。」
「あぁ、またセイン姉が倒れちゃったッスよー!」

〜今度こそ終われ〜

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  • 2014.09.06 Saturday
  • -
  • 05:05
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コメント
どもー。
ユノアイ以外の新ジャンルはユノスレの『渚のナンバーズ』ですか。
セインが結構美味しい思いをする話、ユノスレでは結構評判よかったですよね。
これからも、いろんなジャンル作品を楽しみにしています。
  • no name?
  • 2008/08/11 10:02 AM
あそこは基本的に興味の無い話はスルーしてくれるところですから好評以外書かれないのですよね。
それでも褒めてくれる方が少しでもいるのは喜ばしい事ですわ。

今のところアインスさんや数の子達しか話が浮かびませんが、ユーなのやユーふぇといった王道的なカップリングにも挑戦したいですな。
  • 三原王二郎
  • 2008/08/20 11:21 PM
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