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  • 2014.09.06 Saturday
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ユーなので●●1周年!

ユーノ×なのは同盟企画用のSSが何とか仕上がりましたです。
締め切りの50分前とかドンだけギリギリなんだよ自分(汗。
とはいえ、結婚とか交際一周年は多くの方が書かれていると思うので変化球的なネタに走ってみました。
・・・コレは有りなのかビクビクしていますが(汗。
あと、自分のSSでこんなになのはさんが喋ったのって初めてじゃなかろうか(爆









新暦76年7月、時空管理局無限書庫
特殊な結界によって形成された空間に膨大な量の書物を内包する無限を冠するに相応しい書庫
そこに1人の少女が訪れるところから今回の話は幕を開ける。



「こんにちわユーノ君。 久しぶりだね。」
「やぁなのは、こんにちは。 今日はどうしたの?」
「好きな人のところに行くのに理由なんて要らないよ。」
「それもそうだね。」

軽くハグしながら頬を合わせて甘ったるい空気をかもし出しているこの二人、“時空管理局武装隊戦技教導官”高町なのはと“無限書庫司書長”ユーノ・スクライアは世間一般で言うところの恋人である。
数ヶ月前に開かれた聖祥大附属中学校卒業を祝う宴会で周りの策に嵌って電撃告白をして以来付き合うようになったのだが、詳細は長くなる上にまだ一年経っていないので今回は脇においておこう。

「今やってる作業を終わらせたらすぐ行くから、司書長室で待っててよ。」
「分かったよユーノ君。 無理はしないでね?」
「大丈夫、なのはを悲しませるようなことはしないよ。」
「そういっておきながらこの間シャマルさんのお世話になったのは誰だったかな〜?」
「あ、あはは…。」

片目を閉じながら問い詰めるなのはに、バツが悪そうな顔で目を逸らすユーノ。
以前無限書庫でデブリのように漂っていたユーノを見つけた彼女はお姫様抱っこで医務室に運んでいき、その時の様子を多くの局員に見られたためユーノは二度と無茶をするまいと誓っていた。

「でも早く来て欲しいから、元気になるおまじないかけてあげる♪」

チュッ

「それじゃあ待ってるからね〜。」

頬に軽く口付けをし、頬を紅く染めながら司書長室に飛んでいくなのは。
一瞬ポカンとしていたユーノであったが、次の瞬間全てのステータスにコードを当てたかのような勢いで業務に取り掛かった。
今の彼なら天国の時間であっても長編漫画を描けそうだ。



司書長室に入ったなのははユーノがよく使う司書長用の椅子に座って目を閉じる。
特に理由はなかったのだが、なんだかユーノの温もりが伝わってくる気がして心地がよくなる。
まぁ今日は一度も座っていないので完全に気のせいなのだが、なのはには伝わってくるのだからつっこむむのは野暮だろう
しばらくそうしているとふと何か思いついたのかすっくと立ち上がる。

「ユーノ君の疲れが取れるように何かあったかい飲み物を用意しよっと。」

二人で一緒に一服しようと思い立ち、備え付けのキッチンに向かうなのは。
無限書庫には元々軽食の用意も出来る簡易キッチンが備え付けられているのだが、最近無限書庫にも同様の施設が備え付けられた。
司書長室に篭もって仕事をすることが増えたため、というのが管理局に出された申請書の設置動機欄に書かれた理由なのだが、キッチン設置後の教導官出現率を考えるとなんらかの因果関係がありそうだ。

「ん〜、紅茶の葉は切れちゃったんだ。…あっココアの粉がある。 うん、ホットココアにしよっと♪」

戸棚を物色してココアの缶を見つけたなのはは、まず冷蔵庫からミルクを出して二人のカップに注いで電子レンジのスイッチをON。
ミッドも地球もこういった生活用品は似たような感じになるんだなぁと不思議に思った事もあるが、考えても何かが変わるわけではないので気にしない。

「(まぁ、ユーノ君だったらその辺り面白そうに調べそうだけどね〜)あれ、何だろコレ?」

出来るまで少し掛かるのでその間に二人で軽くつまめるお菓子がないか探していると、冷凍庫に無地の白い箱が入っているのに気づいた。
なんだろうかと取り出してみると、そこには2/8ほど欠けたホールのチョコレートケーキが入っていた。

「どうしたんだろ、コレ? 誰かからの差し入れかな?」

もしそうなら食べる訳には行かない、そう考えてしまおうとしたら…。

「何してるのなのは?」

仕事に一区切りつけてやってきたユーノがいた。



「へぇ〜、そのケーキユーノ君が作ったんだ。」
「うん。 この間書庫で面白いケーキの作り方が載ってる本を見つけたから作ってみようと思ってね。」

レンジから取り出したミルクにココア粉を適量入れながら訊ねるなのはに、先程のケーキを切り分けながら答えるユーノ。

「でもなんで冷凍庫に入れてたの?」
「これアイスクリームを使ってるからね。」
「えっそうなの!? そういえば翠屋で似たようなケーキ作ろうかなって言ってたかも。」

この間地球に帰ったらお母さんが新作メニューに試行錯誤していたなぁ、なんて事を考えながら『パクッ』とケーキを口に運ぶ。

「ふぁあ、なんだか不思議な食感だね。 アイスなのに噛み応えがあるというか。」
「トルコアイスだっけ? 地球にあるそんな名前のアイスに似たヤツを使ってるんだ。」
「なるほどね〜。 今度お母さんに教えてあげよっと。」

あっという間にケーキを食べ終え、冷えた口腔をホットココアで暖める。
甘いもの続きになってしまうと思いきやケーキは甘さ控えめだったので意外とちょうど良い。

「やっぱりなのはのココアは美味しいね〜。」
「戸棚にあったインスタントの物だけどね。 コレってケーキ用に買ったの?」
「それもあるけど、元はクッキー用に買ったんだ。」
「そうなんだ。 今度ユーノ君手作りのクッキーも食べてみたいなぁ。」
「ちょうどこの間作ったから食べる? というか、元々なのはにあげるために作ってたんだけどね。」

そういうとソファーに座ったまま魔法でデスクの引き出しから軽くラッピングされたクッキーを持ってくる。
書架の様に無重力でなくとも軽いものならこうして飛ばす事が出来る。
流石になのはのスターダストフォールのような芸当は無理だが。

「ありがとうユーノ君!…でも私のためって?」
「ほら、ちょうど1年前になるかな、初めてなのはからお菓子作りを習ったのって。 折角だからそのお礼と恋人へのプレゼントを兼ねてね。」
「あっ、そういえばそうだね。 懐かしいなぁ〜、あんな格好のユーノ君初めて見たよ。」
「そんな事もあっねぇ。」

様々な形と色のクッキーを食べながらまだ友達だった頃を思い出す二人。
それは1年前、休暇を海鳴で過ごすためにユーノが地球を訪れた時の事だ。

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「えっ、今日って学校あるんですか?」
「あるんですかって平日なんだから当然よ。 なのはが心配してたわよ、『ユーノ君って曜日の感覚が薄れてる気がする』って。」
「あはは、すみません。」

ハラオウン家のポーターを経由して地球に着いたユーノはその足で翠屋に向かったのだが、その日が平日だということをすっかり忘れていたのだ。
桃子に呆れられて平謝りな彼は、仕方がないので桃子に後でまた来る事を告げて散歩してこようかな、と考える。
まだ昼前なので帰ってくるまで時間が掛るだろうし、1人でのんびりするのも悪くはない。
しかし、その事を告げると『やる事がないんだったら家の手伝いしていかないかしら?』と誘われて臨時店員として働くことになった。

「うん、よく似合ってるわ。」
「そ、そうですか? ありがとうございます。 でも、こんな服恭也さんが着てた所見た事ないんですけど?」
「それはそうよ。 だってユーノ君のために用意したんですもの。 サイズが合うか心配だったけど、そんなに誤差がなくてよかったわ。」

ユーノが着ているのは黒いタキシードに白いワイシャツ、剣十字があしらわれた黒ネクタイ、汚れ一つない白手袋、そしてピカピカに磨かれた黒い革靴。
そう、誰がどう見ても執事服であった。
普通ウェイターだったらワイシャツとズボンにピケをあわせるもののはずなのだが、何故ここまでやるのかと疑問に思うユーノ。

「この間近所の集まりで執事喫茶って物を教えてもらったの。 それでそろそろユーノ君が来る頃だろうしやってもらおうかしら、って」
「かしらって……そもそもなんで僕が来るって思ったんですか? コレでも仕事が忙しいから休みが不定期なんですけど。」
「なのはから聞いたのよ。 『多分今週くらいにユーノ君が来る』って。 流石恋する女の子は違うわね〜。」
「? どういう事です、それ?」
「いつかなのはから教えてくれると思うから、それまで内緒ね。」
「はぁ…。」

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「お、お母さんそんな事言ってたの!?」
「うん、今思えば桃子さんにはすっかりバレてたみたいだよ。 というか、あの頃にはもう僕のこと好きでいてくれたんだ。 嬉しいよ、なのは。」
「うぅ〜、完全に自覚したのは宴会の時なんだけど、周りから見たら分かりやすかったのかなぁ…。」

顔を真っ赤に染めながら頭を抱えるなのはを見ながら、ユーノは回想を再開する。

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「さて、ユーノ君には接客をしてもらいたいんだけど接客経験ってある?」
「流石にないですって。 自分より地位の高い人と話す機会は山ほどありましたけど、接客とか執事とかはやる機会ないですし。」
「なら今から執事について勉強しましょうか。 資料はあらかじめ用意してあるし開店まで時間があるから覚えられるでしょ?」
「まぁ記憶力には自信がありますけど、何でそんなものまで…。」
「いいからいいから。 細かいことを気にしてたらなのはに嫌われるわよ〜?」

「何でそこでなのはが出て来るんですか?」という言葉を軽く無視してユーノを店の奥に引っ張っていく桃子。
開店までの1時間弱、桃子先生のハチミツ…もとい執事講座が開講した。
バニングス家から借りた執事教本を片手に基本的な立ち振る舞いからとっさの時の対処方まで、それはもう徹底的に仕込まれる羽目になった。
ユーノもユーノで持ち前の学習能力の高さから砂漠に水を落とすかのごとくバンバンと習得していき、開店時間にはそこいらにいる並みの執事に負けないレベルにまでなっていた。

「って、執事がそこいらに溢れてるわけないでしょ!?」
「どうしたのかしらユーノ君、虚空に向かって叫んだりして?」
「あっいえ、なんでもないです。」
「そう? ならいいけど。 さて、そろそろ開店だから今日はよろしくね、ユーノ君。」
「はい…こほん、かしこまりました、マスター。」

ウィンクして聞く桃子に、スイッチを切り替えて執事として応答するユーノ。
その様子に満足がいったのか、桃子はうんうんと頷きながら鼻歌交じりで厨房に入っていった。
「何でこんな事になったんだろう…。」とぼやく新米執事だったが、それに答える声はなかったという。

【カランカラン】

【開店】と書かれた花形のプレートをドアに下げてしばらくすると若い二人組の女性がやってきた。
この二人は聖祥大に通う学生にして翠屋の常連で、午後の講義前に来るのが日課となっている。

「いらっしゃいませお嬢様方。 カウンターでよろしいでしょうか?」
「え…あっ、はい。」
「それではこちらへどうぞ。 ご注文がございましたら承りますが、いかがなさいますか?」
「えっと、じゃあランチセットを二つ。 私は紅茶で。」
「私はコーヒーでお願いします。」
「かしこまりました。」

いつものように店に入るといつもはいないタキシード姿の店員がいて、流されるままにいつものように注文をする。
しかし、少し経って『アレは…何?』と思い桃子に訊ねた。

「あの、桃子さん。 さっきの方は一体…?」
「彼はなのはのお友達のユーノ君よ。 今日一日家で手伝いしてくれる事になったの。」
「なのはちゃんの友達って事は、まだ14歳なんですか!?」
「大体それ位よ。」

ユーノの年齢を聞いて驚く二人。
何せ自分達より5歳も下の少年からお嬢様と言われ…ではなく、とても年下とは思えない大人な雰囲気があったのでてっきり年上だと思っていたのだ。

「ユーノ君の国って就業年齢が低いらしくて、彼もあの年で社会人として働いているのよ。」
「へぇ〜、だからあんな大人っぽいんですか。」
「まぁ、接客とはそういうものだって教えたからでもあるんだけどね。 はい、ランチセット二人分お待ちどう様。」

ユーノについて軽く説明しながら注文された品を作り、カウンター越しに手渡す。
そうしている間にも新たな客が来ては先の二人と同じ様な反応をして桃子に訊ねる流れが出来ていた。

「ねぇねぇ、ユーノ君ってどこの国から来たの?」
「詳細は言えませんが、遠い国とだけ言っておきます。」
「普段は何の仕事してるの?」
「国の図書館で司書をしていますよ。」
「司書? なんか地味そうな仕事ね。 というか、司書ってどんな事してるの?」
「私が働いているのは国専属の図書館でして、国家の機密文書の類を管理などが仕事の一つですね。」

注文が一段落すると、店内の隅で控えているユーノを呼び出して色々と会話をする客が出始めた。
海鳴ではあまり見かけない金髪碧眼で中性的な顔立ち、そして桃子から聞いた実年齢と雰囲気のギャップは興味を引くのに十分だった。
もちろん魔法やミッドに関する事は話せないのだが、あらかじめ決めておいた設定に抜かりはない。
無限書庫で培った高速思考も会話をする上で役に立っている。

【カランカラン】

「いらっしゃいませお嬢様方、3名様でよろしいでしょうか?」
「はい。」
「うわぁ、本当に執事さんがいる。」
「ちょっとカッコいいわね。」

しばらくするとどこから噂を聞きつけたのか、ユーノ目当てでやってくる客が増えてきた。
1日限りの執事喫茶、しかもレベルが高いとの噂が流れて講義帰りの大学生や主婦達がやってきたのだ。
海鳴の情報網恐るべし。
ユーノもユーノで半ば自棄になって執事になりきるものだから客の満足度指数と店の売り上げは鰻上りになっていく。

「ふぅ、こんなに話したのは久しぶりですよ…。」
「ふふふ、お疲れ様ユーノ君。 はい、ホットココア。」
「ありがとうございます。」

3時を過ぎる頃になると客入りも一段落して、ユーノは一息つきながら桃子お手製のホットココアを口にする。
労使した喉に程よい甘さのココアが良く染み渡る。

「それにしても今日の売り上げ凄い事になったわね。 このままユーノ君が家に来てくれればいいのに。」
「嬉しい誘いですけどそういうわけにはいきませんよ。 言い方が乱暴ですけど、僕の仕事はなのは以上に替えが居ないですから環境が整うまでは離れるわけにはいきません。」
「分かってるわよ、ちょっと言ってみただけだから。 なんにせよ、今日はありがとう。」

どこまで役に立てたのか分からないが、こうして褒められるとユーノはなんだか嬉しくなる。
少しばかり照れながらまだ残っているココアを一気に飲み干す。
すると…。

【カランカラン】

「いらっしゃいませお嬢さ…ま…。」
「えっ…ユーノ、君?」
「ユーノ…?」
「なんやユーノ君、めっちゃ似合っとるなぁ〜。」

鐘が鳴り、つい条件反射で挨拶するとそこには中学から帰ってきたなのは・フェイト・はやての姿があった。
時間が停まった様に呆然とするユーノ・なのは・フェイトと違い、いち早く復帰してユーノの格好に興味を示したはやては現実を見据える力があると思います。
ちなみになのはの帰宅時間を知っている桃子はそろそろだと思っていたが、面白いのでユーノに黙っていたとか。

「…うぅ、穴があったら入りたい…。」
「落ち込まないでユーノ君、すっごく似合ってたよ!?」
「そうだよユーノ、普段よりもカッコいいよ。」

膝を抱えて落ち込むユーノの肩に手を当てながら慰めるなのはとフェイト。
なのはは普段と違う彼の格好にドキドキしながら、フェイトは普段とは違う彼の態度にオロオロしながら声をかける。
一方はやてはそんな様子を最近買い換えた携帯でパシャパシャと撮っていたりする。

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「あの時は本当にビックリしたよ。 そろそろ遊びに来ることかなーって思ってたけど、まさか執事服で出迎えてくれるなんて。」
「今じゃいい思い出だけどあの時は本当に落ち込んだなぁ。」
「でもすっごく似合ってたよ。 久しぶりに見てみたいなぁ、ユーノ君の執事姿♪」
「…考えておくよ。」

期待した目で見つめるなのはを前に否とは言えず、近い将来再びあの服を着る事を覚悟するユーノであった。

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翠屋の方を一旦閉店にして、一同は高町家のリビングで団欒する事になった。
もちろんユーノは普段着に着替えている。
「なんやもう着替えるん? もったいないで、なぁなのはちゃん。」「ふぇ、えっと…でも…。」という声が聴こえたが全力で気のせいにした。

「ところでユーノは今日仕事の方は大丈夫なの?」
「うん、スケジュールを調節して今日1日空けたんだ。 一応有休って手もあるんだけど、それだと司書のみんなに負担になっちゃうから。」
「それやとユーノ君が大変じゃないん? 無茶しすぎて倒れるなんて洒落にならんよ?」
「大丈夫だよはやてちゃん。 本当に大変な時は今日みたいにしっかり休んでくれるから。」
「おおっ、流石なのはちゃん、ユーノ君のことなら全部マルっとお見通しってか?」
「は、はやてちゃん何言ってるの!?」

ソファーに座り、久しぶりの再会で会話が弾む4人。
ここにアリサとすずかがいればさらに賑やかになるのだろうが、残念ながら二人には予定があるので今日は来ていない。
仕事の話から日常の話までずいぶんと盛り上がっていると、4人分のカップとクッキーを持って桃子が入ってきた。

「はいお待ちどう様〜。 桃子さんお手製の紅茶とクッキーをどうぞ。」
「ありがとう、お母さん。 言ってくれれば手伝ったのに。」
「ありがとうございます〜。 うわぁ、いつもながらめっちゃ美味そうですね〜。」
「うん、コレが普通の紅茶の香りだよね。 何で義母さんの入れるお茶は…。」
「ありがとうございます桃子さん。 早速いただきます。」

机に置かれた器からクッキーをつまみながら紅茶を嗜む4人。
流石喫茶店をやっているだけあって桃子の料理の腕ははやてを遥かに上回る。
そんなわけで会話の内容も自然と食べ物の話になっていく。

「ユーノ君って普段何食べてるの?」
「なんとなく栄養食品で手早く済ましてそうやね。 あと宇宙食みたいに無重力でも食べられそうなやつとか。」
「そういうのもあるけど、時間がある時は食堂に行ったり自分で作ったりしてるよ。」
「そうなんだ。 でも本局の食堂でユーノに会った事ないよ?」
「最近は書庫のキッチンで作ることが多いからね。」

「書庫にはそんなもんまであるんかい。」と突っ込みながら最後のクッキーをパクつくはやて。
タッチの差で取り損ねたなのはの手がなんだか寂しそうだった。
そんななのはに自分のクッキーを渡すフェイトの友情をみてはやての心に100のダメージがあったとか何とか。

「それにしても桃子さんのクッキーって何で美味しいんだろ?」
「パティシエの資格持ってる位やし、めっちゃ練習したからやん?」
「でも、こんなに美味しいクッキー私には作れないよ。」
「そんなことないわよ。 もし良かったらみんなも作ってみる?」

桃子の誘いでクッキー作りをする事になったフェイト・ユーノ・はやて。
3人の中で一番料理経験が低いフェイトに桃子とはやてが、そこそこ出来るユーノになのはが付いて教える事になった。
いかにも作為的な組み合わせだが、コレには誰の思惑も入っていないですよ、えぇ入っていませんとも。

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「その後大変な事になったよね。」
「まさかフェイトが作った生地があそこまで膨らむなんてねぇ。」
「確か間違えてイースト菌を入れちゃったんだっけ?」
「うんうん。 フェイトちゃんってば自家製のパン用にお母さんが買っておいた物を間違って入れちゃったんだよ。」

昔話に花が咲いていると、1年前のようにあっという間にクッキーがなくなる。
「もっと食べたかったなぁ…。」と呟くなのはにユーノは「なら一緒に作らない?」と訊ねる。

「ふふっ、なんだか1年前と逆だね。」
「そうだね。 でも、あの時よりはお菓子作りの腕は上がったけどまだまだなのはには敵わないよ。」
「そんな事ないよ。 さっきのクッキーはとても美味しかったし、ユーノ君は今でもここの本でお勉強してるんでしょ?」
「司書長の僕が言うのもなんだけど本は古人の糟魄でしかないんだし、なのはに手取り足取り教えて欲しいな〜♪」
「もう、ユーノ君ってば。」

軽く照れながらも特に断る様子もなく、一緒にキッチンに向かおうとしたその瞬間。

【ポーン】

ハ長調ラ音の着信音と共にユーノの通信ウィンドウが開く。
どうやら秘書からの通信のようだ。

「どうしたの? 何か問題でも起きたのかい?」
「申し上げにくいのですが、その通りです。 コウモリからいつもの物が届きました。 それも山の様にです。」
「…はぁ、分かったよ。 それじゃあすぐそっちに向かうから先に始めてて。」
「お二人の時間を邪魔してしまい申し訳ありません。」
「いや、君が謝る事じゃないって。悪いのは全部あのコウモリなんだから。」

そう言うとユーノはウィンドウを閉じてなのはの方を向く。
なんとなくどういう事か分かったなのはだが、気になる単語があったので聞いてみる。

「ねぇユーノ君、さっき言ってたコウモリって言うのはもしかして…?」
「なのはの想像通りだよ。 あいつまた大量に依頼してきたらしいんだよ。 必要だってのは分かるけど、もう少し空気を読んで欲しいよ。」
「あはは…。」

クロノの事が『コウモリ』と呼ばれている事に苦笑いするしかないなのは。
何でもこの数ヶ月はそんなに量は多くなかったらしいのだが、ここに来て量が一気に増えたらしい。
さすがにユーノ無しでは他の業務にも支障が出てしまうため駆り出される事になったのだ。

「全く、折角久しぶりになのはと料理しようと思ったのに…。」
「まぁまぁ、今日は残念だけどまた次の機会にね。」
「あっ、ちょっと待ってなのは。」

なのはも残念ではあるが、これ以上ユーノの仕事の邪魔をするわけにはいかない。
そう思って司書長室を後にしようとしたらユーノに呼び止められる。

「何、ユーノく…。」
「…ぷはぁ。 これから頑張るためになのは分を補充、ってね。 それじゃあ行ってくるよなのは♪」

振り向きざまにでぃーぷなものをもらい呆然とするなのはをよそに、鼻歌交じりに業務に向かうユーノであった。



〜あとがき〜
というわけで、『ユーなので“お菓子作り”一周年』をお送りしました。
どうも当初考えていた結末につかない事が多い自分ですが、今回もその例に漏れず違う方向に進んでしまいました。
まだまだ精進が足りない証拠ですね(苦笑。
ってか“お菓子作り”なのに殆んどお菓子作ってないし。
いや、書いているうちに『ユーノ君の執事姿って何か良くね?』とか思い立って軌道修正したなんて事はないですよ?
なんにせよ、こうしてユーなのを書いてみるとやはりユーノとなのはってお似合いなんだなぁと実感しますね。

このような企画に参加させていただいて本当に感謝すると共に、締め切りギリギリになってしまい申し訳ないですわ。
こんな自分でよければ、また次の機会も参加させてくださいませ。
そしてユーなの同盟一周年おめでとうございます〜。

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