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  • 2014.09.06 Saturday
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言の葉を繋いで

えらく久方ぶりにリリカルなのは系のSSなんぞ書いてみました。
とはいえアインスさんが出てこない上に、以前に霖スレで見かけたネタをアレンジしたものなんですけどね。
それでもよろしければ続きからどうぞ〜。


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本は古人の糟粕のみ、真に大切な事は本に記されていない。
書物というのは過去の極一部であり、そればかりに眼を向けて今を生きる者と接する事を怠ってはならない、という教訓だ。
確かにそれも正しい事だと思うが、だからといって本を読み自分を高める事を怠ってもいけないと僕は思う。
ようは双方のバランスが重要という事だろう。

……などと朝からユーノがマルチタスクの一部を割いて有り体も無い事を考えてながら業務に勤しんでいると、彼に客が来たと連絡が入った。
そして相手を確認して書庫内に案内するように伝えると、数分もしないうちに長い金髪をなびかせながら彼女がやって来た。

「あぁ、いらっしゃいフェイト。 ヴィヴィオは元気かい?」
「今じゃすっかり格闘少女って感じで元気一杯だよ。 ユーノの方はお疲れみたいだけど、また徹夜したんでしょう?」

腕を組みながら右の人差し指を立て、若干窘めるような口調でそう告げるフェイト。

「うん、そうなんだよ。 厄介な依頼を出してきてね、君の兄上。」
「えっと……ごめんなさい。 お兄ちゃんには後でご馳走してあげなきゃ、シャマルさんのフルコースを。」

哀れクロノ、軽く俯きながら言っている為よく表情が見えないがそれはティアナがトラウマになったあの顔に非常によく似ていたという。
軽く苦笑いしていたユーノであったが、しばらくして何かを思いついたように通信ポートを開く。
通信に出たのは、なんと普段は聖王教会でカリム・グラシアの執事をやっているオットーであった。

「オットー、お茶会用の紅茶を一人分追加いいかな? あとお茶請けもよろしくね、クッキーとか。」
「かしこまりました、ユーノさん。 ではこちらで適当に見繕いますね、クッキー。」

そんな会話を聞きながら内心少しばかり動揺するフェイト。
無限書庫とあまり縁がないオットーがさも当然の様に通信に出て、ここでも執事みたいな事をやっていたら誰だってそうなるだろう。
考えても答えは出ないだろうと判断したフェイトはとりあえず目の前にいる幼馴染に聞いてみることにした。

「聞いてもいいかな、何でオットーがいるのか? 細部まで詳しく。」
「詳しくと言われても僕もよく知らないんだ。 確か騎士カリムから執事修行に行ってこいって言われたんだっけ?」
「結構無茶なこと言われてるんだね、あの子。」
「これでもまだ簡単な方です。 まったく、同じ金髪でも司書長とは雲泥の差ですよ、雲泥の差。」

突然の声に振り向くと、何時の間に来ていたのか執事服を身に纏ったオットーの姿があった。
どうやらお茶会の準備が出来たので二人を呼びに来たようだ。
肩をすくめて溜め息をつくその姿からは彼女が感情の起伏が少ない戦闘機人であったとは思えない程である。
……若干砕けすぎなのが気になるところではあるが。


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オットーを先頭にフェイトとユーノが休憩室に入ると、綺麗に並べられたクッキーと3人分のティーカップが用意されていた。
早速二人が席に着くとオットーがティーポッドから紅茶を注ぎ、お茶会の準備が整う。

「さあ、ティータイムのお時間です。 美味しいですよ、このお菓子。」

バルディッシュに似た三角形のクッキーを軽くつまみながら紅茶を一口含むと、なるほど言うだけの事はあると素直に感心するフェイト。
見たところクッキーは市販のものであり単体でも美味しいのだが、その味を見事に引き立てている紅茶の絶妙な味わいは流石執事をやっているだけのことはある。
聖王教会専属の執事として日々成長するオットーなのであった。

「シュガーレスの紅茶によく合うね。 結構なお手前です。」
「少し甘さが足りないかなぁ、僕には。 この職場は頭をフル活用するからなぁ、なにせ。」
「先生さんもお母さんみたいな味覚になってきたのかな? たまに食べて味覚を正常にしたほうがいいよ、辛〜い赤味噌。」
「そんな事ない……と思いたいけど、確かに昔より甘いものが好きになったかも。 麻婆豆腐とかホントにもうご無沙汰。」
「喩えに出すのが何で麻婆豆腐? ひょっとしてカレー麻婆とかもいけるクチ?」
「ちょっと食べた事ないから分からないかな。 でも、辛いものも結構いけるよ。 ココイチなら辛さは五つ。」

以前は空いた時間にココイチ時空管理局本局支店によく行ったユーノであったが、最近ではトンとご無沙汰らしい。

「常並な辛さしか食べられない私には想像できない世界だよ。 ……あぁ、忘れてた。はやての誕生日に何かプレゼントをしたいからその資料探しにここを使ってもいいかな?出来れば定時まで。」
「適当な資料が見つかって借りたい時は受付で申請してね。 僕も今やってる仕事が一段楽したら手伝うよ、息抜きついでにって事になるけど。」
「とりあえず女性向けの情報誌関係を探してみるよ。 オットー、ちょっと手伝ってもらっていいかな?」
「ナンバーズ8番の名にかけて、どんな資料でも探して見せましょう。 それこそ足を限りに。」
「……似合わないからそういう言い回しはやめた方が良いと思うよ。 まさに『開いた口が塞がらぬ』。」


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およそ3時間かけて女性向け情報誌の棚を読了したものの、さして良さそうなものは載っていなかった。
なので現在は趣味のコーナーからよさげな本を取り出しては一つ一つ中を吟味するフェイトとオットー。
彼女らの場合、読書魔法に慣れていないのでこうして直に見た方が早いのだ。

「塗師細工に唐木細工、竹細工と色々な物があるんだね。」
「粘土細工というのはどうでしょう? 八神部隊長にお似合いだと思いますよ、粘土で出来た狸の置物。」
「後々崩れそうだしそもそもプレゼントとして成立しないんじゃないかな、そういった物は?」

無論きちんと窯で焼くなりすれば手作りの陶器としてプレゼントになるだろうが、いかんせん誕生日まで日が短いので却下された。
そもそも執務官としての仕事もあるので手作りというのは時間的に厳しいだろう。

「はて、心が篭もっているならばどんな物でも喜ばれるとカリムから伺いました。 なので実践あるのみです、是非是非。」
「人の話を鵜呑みにすると豆腐の角で怪我しちゃうよ? 嫌でしょ、豆腐。」
「ふむ、それは遠慮したいですね。 さて、次はどちらへ?」

さらに4時間が経過し、仕事に一区切りを就けたユーノも合流して探す事30分。

「へぇ、こんな本もあるんだ。 これなんか良い候補?」
「他のものにした方がいいと思うよ。 というかちゃんと片付けてよ、その本の山。」
「全く心配性だね、ユーノ先生は。 大体アルフ並。」
「耳慣れない単位だね。 そう言えばオットー、教会だと誰が一番『お姉さん』かな? チンクさん、シスターシャッハ、それとも騎士カリム?」
「無論チンクお姉様です。 …このような答えの分かりきった質問、何のため?」
「目立った理由はないよ。 強いて言えば何となく…かも。」

取り留めのない会話を交わしながら、ふと気が付くとはやての誕生日対策に使えそうな棚の探索を終了していた三人。

「もうそれらしい所は調べ終わったけど、候補がたくさんあって決められないや。」
「やれやれ、ならこれなんかどうかな。 ミッド郊外の温泉付き旅館。確かはやて達好きだったでしょ、打たせ湯。」
「ゆったり出来るからいいお休みにもなりそう。 うん、いいと思うよ。」

結局無難といえば無難な案に収まったが、奇を衒っても気に入ってもらえなければプレゼントの意味がない。
そういった意味じゃ家族みんなと楽しめる温泉ははやてにピッタリのプレゼントだろう。

「予約は二週間前までだからまだまだ余裕はあるね。 ところでお腹も空いてきたしみんなで昼飯食べに行かないかな、これから。」
「ランチというよりはもうディナーだけね。 私は大賛成だよ。 大勢で食べた方が美味しいしね、一人より。」
「リンディさんからもらった割引券もあるし、オットーはどうする?」
「留守居は暇なのでご一緒します。 でも、出発する前に片付けなければいけませんね、それ。」
「れ、冷静だねオットー……。 うん、早く夕飯にしたいし全力全開で頑張ろ。」

オットーの視線の先にある自分達が散らかした本の山を見て冷や汗を流しつつ、気合を入れるフェイト。
なにせ昼食抜きでずっと調べ物をしていたのだから空腹で若干フラフラしてきているのだ。
一気に終わらせるべくソニックフォームを展開して本を棚にしまうその姿は、ユーノの検索魔法とはまた別種の速さだったという。



「碌でもない量だったけどなんとか終わったって事でいいのかな、これは?」
「私も同意見だよ。 また別の機会にやろうね、これを。」
「お疲れ様でした、オットー、フェイト・T・ハラオウン。」
「ん〜そちらこそお疲れ様だよ、ユーノ・スクライア。」

しばらく見つめあった後、一つの事をやり遂げた三人は笑みを零した。


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感想会 in レストラン

「オットーがいるって知った時はビックリしたよ。 ユーノが仕組んだわけじゃないよね?」
「もちろんだよ。 僕も騎士カリムから聞いてどうしようかなって思ったけど、面白そうだからいいかなって。」
「僕に出来るかわからなかったけど、何とか成功してよかったです。 でも、途中無理矢理になってしまったのが残念です……。」
「順番もあるだろうけど、私もちょっと変な言葉回しになっちゃったかな。」
「それもまた醍醐味って事でいいんじゃないかな。 さて、料理もきた事だし食べようか。」


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ネタはらしをすれば、57日目のちんかゆ氏の衣玖霖SSに使われた台詞遊びをやってみました。
本編中の台詞の頭と終わりをつなげていけばあら不思議。
まぁ、若干無理矢理な所もありますが気にしないでくださいまし(苦笑)。


余談ですが、ユノスレに投下した時にこのネタに気づいてくれた方はお二方だけでした(汗)。


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  • 2014.09.06 Saturday
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コメント
このSS、王二郎さんだったんですか!
ユノスレで見た時はよく最後までセリフ整えたなぁと感心していたのですが、
こんなことなら私もレスすればよかったですね(笑)。
  • ぬまた
  • 2010/05/10 1:50 PM
コメントありがとうございます〜。
そう、何を隠そうユノスレに投下したのはこの私でした(笑)。

仕込みに気付かれたかはさておき、久方ぶりのSSにも関らず住人の方々にそこそこ楽しんでいただけたようで何よりですわ。
やっぱり物書きも楽しいですね。
ああ…久しぶりのなのはssと思ったらあの衣玖霖のネタを使っているのか…
僕はまったくわかりませんでした…orz
種明かしすごく助かります!改めてこのssもあの衣玖霖も読み返してきます!
  • 風生 いずみ
  • 2010/05/16 3:52 PM
久方ぶりにあのネタを見て、ふと『ユーノとフェイトの名前のラストで繋げられるなぁ』と思い立ったのでやってみました。
元ネタほど凝った言い回しが思いつかなかったのでキャラの性格がちょっとずれちゃった気もしますが、これはこれでありかなぁと。
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