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  • 2014.09.06 Saturday
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ユノはや2章 はやてちゃんのお料理教室

今回は前作のラストで約束された待ち合わせから始まり、八神家にお邪魔したユーノ君の動向を書いてみました。
きわめて日常的な一幕なのであっさりと流れが決まったのですが、どんな料理にしようかで迷ったのもいい思い出です。
結局ポアロの大喜利DVDに出てて美味しそうだったチーズフォンデュにしようと思って今作に至る、と。













拝啓、スクライアの皆様

今も元気で発掘を楽しんでいるでしょうか?
僕は日夜本に埋もれながらも充実した日々を送っています。
最近では友人の好意で料理を教えてくれる事になり、1人暮らしの身に非常に助けられています。
ただ、心配事もあるわけで…。
(ユーノ・スクライアが部族にあてた手紙より抜粋)



その日の21時、普段ならそのまま残業に入る所だけど今日は約束があるので資料を手早く片付けて早々に退館準備を行う。
といっても、私物や作りかけの案件なんかはあらかた個人占有の資料室に仕舞ってあるのでそんなに時間はかからないんだけどね。

「あれ、ユーノ君、今日は自宅に帰るのかい?」
「はい、今日は友達の家に招待されているんですよ。」
「へぇ〜、お泊り会ってわけね。 ユーノ君は働きすぎなんだし、たまにはお友達とゆっくり遊んできなさいな。」
「なんだったら明日は休みでもいいんじゃないかい? 司書長ならすぐに受理してくれるんじゃないかな?」
「あはは、流石にそういうわけにはいきませんよ。」

同僚の人達と軽い挨拶を交わしてから無限書庫を後にすると、既に出口の前ではやてとリインが待っていた。
僕の姿を認めるとリインが「こんばんわです〜」と言いながらバビューンと飛んできて僕の頭にちょこんと座った。
二人とも本局で定時まで仕事があった筈なのになんでもう居るんだろうか?

「やぁ二人とも、お待たせ。」
「私らもついさっき来たところやしええって事よ。」
「それにしても二人とも今日は本局で仕事だったんじゃない? 定時に上がったにしてはずいぶんと早い気がするけど。」
「今日はお仕事を早く終わらせてきたですよ〜。 ユーノさんより先に行こうってはやてちゃんが張り切っちゃって。」

そのせいで普段の倍近いスピードで仕事してきたですぅ、と僕の頭上で言葉を続けるリイン。
加えてはやての自慢げな笑顔を見て半分驚き半分呆れた感じで溜め息をつく。
別に細かく時間を決めたわけじゃないしそこまでしなくてもいいのに、相変わらず変な所で力を入れるよね。

「だって約束しといて待たせるのは人としてあかんやん。」
「また大げさだね。 別にそんなこと気にしないのに。」
「私が気にするんよ。 それに早く行かんとご飯作る時間なくなるで。」

そういうと僕の手を取りトランスポーターの方へと歩き出すはやて。
確かに明日も仕事があるわけだし、料理を教えてもらう身としては言う事に従っておこう。
そんなわけで世間話をしながら一緒に八神家へ向かう僕らだった。

「ただいま〜。」
「ただいまです〜。」
「お邪魔します。」

クラナガンにある八神家に着くと、どうやら既に誰か帰ってきているようで明かりが灯っていた。
僕らが玄関で靴を脱いでいる遠くからエプロン姿のシャマルさんがパタパタとやって来て出迎えてくれた。

「お帰りなさいはやてちゃんにリインちゃん、それにようこそユーノ君。」
「突然でなんだかすみません。」
「いいのよ、ユーノ君なら大歓迎よ♪」

笑顔でそう言うシャマルさんにつれられて僕はリビングに向かう。
はやては私服に着替えてくるようなのでそれまで待っていてくれ、との事らしい。
リビングにはソファーに寝転がって漫画を読んでいるヴィータと椅子で前に無限書庫から借りてた小説を読んでいるザフィーラさん。

「お久しぶりですザフィーラさん。 その本どうですか?」
「中々に楽しませてもらっているぞ。 明日にまた続きを借りに行かせてもらう。」
「お待ちしていますよ。 確かまだ残っていたはずですし。」

一昔前に流行った小説らしいけど、いまだに根強い人気があるらしくてよく貸し出しがされているのだ。
こういう娯楽用の本も数多くあるので業務中に読んでいる司書も多いらしい。
などと考えていると、ヴィータが首だけこちらに向けて話しかけてきた。

「よぉユーノ、お金使いすぎて倒れる寸前だったんだって?」
「やぁヴィータ、流石に倒れるまでいってないって。 ただお金が無くて非常食ばかり食べてたってだけだよ。」
「似たようなモンじゃねーか。 そんなんじゃいつか体壊すぜ?」
「心配してくれてありがと。 でもそんな事になったらなのは達に何されるか分からないからね。」

僕がこう答えると、「違いねぇな」と苦笑しながら体を起こすヴィータ。
どうやら僕と一緒に帰ってきたリインとゲームで遊ぶらしいけど、対戦ゲームならザフィーラさんとはやらないのかな?

「あー、コイツ家にあるゲームどれも極めててあたしじゃ相手にならねーんだよ。」
「コツさえ掴めばどのゲームも似た様なものだからな。」
「なんか、意外ですねザフィーラさん。」



「さて、今日は簡単なところでチーズフォンデュにしようと思ってんよ。 ユーノ君はチーズフォンデュって食べた事ある?」
「知識としては知ってるけど、実際に食べたことは無いなぁ。」
「ほなら話は簡単や。 食材切って煮るだけやから初心者でも簡単な代物や。」
「ずいぶんとザックリした説明だけど大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫、簡単なのが売りみたいな料理やしね。 基本切るだけやからシャマルにも出来るし。」
「ひ、酷いですよはやてちゃん!?」

フード付きベージュ色のシャツと膝まであるブラウンのスカートに着替えて、エプロンと眼鏡をつけたはやてから今回の夕食について軽く説明を受ける。
そしてなにやらショックを受けているシャマルさんをスルーして早速用意されたエプロンを身に纏う。
このエプロン、緑生地にフェレットの絵柄が入っているはやて特製の物らしい。

「それじゃまずは食材を切り分けよか。 包丁は使ったことある?」
「うん、そういった技術はスクライアで習ったからね。」

昔は植物動物問わず色々なものを捌いたものだよ。
早速はやてから包丁を受け取ると人参や南瓜を一口サイズに切り分けてボウルにまとめておく。
鼻歌交じりに手際よく進める僕の様子を見ていたはやては少しばかりつまらなそうだった。

「思ったより上手なんね、ユーノ君。 折角手取り足取り教えよ思ってたのになぁ。」
「昔取った杵柄ってヤツだよ。 と言うか、そんなこと考えてたの?」
「教える以上はきっちり教えなあかんし、刃物の扱いなんかは特に気をつけんと怪我してまうし。」

へぇ、意外と考えてたんだ。
流石特別捜査官、色々と真剣に考えているんだなぁ。

「まぁ間違えて指先を切っちゃって指ちゅぱで治してあげるっちゅうイベントも有りやけど。」

…前言撤回、やっぱり彼女の思考回路は基本的にこんな感じなのか。



「終わったよはやて。 こんなもんでいいかな?」
「うん、いい感じやよ。 お次は海老の背わた抜きやけど、コレはやった事ある?」
「いいや、コレはないなぁ。 どうやるの?」

用意された野菜類を加工し終えたので一旦包丁を置いてはやてに見てもらう。
どうやらOKが出たようなので次の工程に移るのだけど、流石にそれはやった事がない。
スクライアじゃこういう手間隙かかる作業はやらずに丸焼きが多かったからなぁ。

「背わたはこの竹串を使って取るんよ。 やってみるから良く見ててや。」

そう言うとはやては一匹の海老を取り出して淀みない動きで背わたをスルッと引き抜いた。
僕もそれに習って海老を手に取り挑戦してみるけど、力加減が分からず途中でプチっと切れてしまう。
いまいちコツがつかめずに悩んでいると、目をキラッとさせたはやてがおもむろに後ろに回って僕の手を握ってきた。

「は、はやて!?」
「ほらほら、力抜きぃな。 私がリードしたるから感覚つかみや。」

後ろから密着された状態に加えて耳元で囁かれるわけで、健全な男子ならいやがおうにも意識してしまう。
こんな状態が続くと緊張してしょうがないので、早く終わらせるためにそれはもう必死に集中したよ。
おかげで2、3回でコツがつかめた…と思ったのに、やれ手付きが危ういだのやれ手際が悪いだので結局全30匹を加工し終えるまでそのままでした。

「はい、お疲れ様〜。 後はこれらを纏めて大鍋にドボンして下ごしらえは終わりっと♪」

僕から離れたはやては少しばかり顔を赤らめながらこう言った。
まったく、やってて恥ずかしいならわざわざくっ付かなくてもいいのに。
と言うかシャマルさん、頬に手を添えて「あらあら」とか言いながら温かい目を向けないでくださいって。

「えっと、ずいぶんと量があるけどコレ全部茹でるの?」
「もちろんや。 明日の朝食に使いまわす分もあるんやし、夕食は大目に作った方がいいんよ。」
「なるほどね、朝起きて一から作るより前もってある程度作っておいた方が楽ってわけか。」
「そーゆー事。 それじゃあユーノ君は大鍋の用意しといて。 シャマルは居間の方よろしくな。」

はやての言葉に得心がいった僕は大鍋をコンロに乗せてスイッチをポチッとな。
この最新式の電気コンロ、僕の家にも備え付けられているけど殆んど使った事ないなぁ。
などと考えているとはやてが調理台の前に椅子を置き、僕を呼び寄せる。

「ユーノ君、上の戸棚から土鍋出したいから椅子押さえててくれへん?」
「ん、いいよ。」

僕がしゃがんで椅子の足を押さえて、その隙にはやてが椅子に乗って上の戸棚をガサゴソと漁る。
しかしずいぶんと時間がかかっているのでまだかと思って顔を上げると、僕は瞬時に顔を下に向ける。
何故かというと、はやての服装をすっかり忘れていたため見てはいけない物が見えかけてしまったのだ。
僕の名誉のために言っておくけど、あくまで“見えかけた”だけであって中は断じて見ていないと弁明しておく。

「お〜、あったあった。 こんな所にしまっとったかぁ。」

目当ての物が見つかった見つかったらしく、土鍋を手に足軽に椅子から飛び降りるはやて。
…どうやら先の件は気づかれていないようで。

「さぁ、今度はフォンデュの番や。 まずはチーズを細かく刻んで片栗粉をまぶす。」
「了解っと。」
「それが出来たらあらかじめ温めておいたワインと1/4ずつ土鍋に入れて徐々に溶かしていくんや。 簡単やろ?」

てっきりチーズをそのまま溶かすだけだと思ってたら中々どうして手間がかかる様で、この煮詰めたワインも一手間かかっているらしい。
全て溶かしきるまでにそこらへんのレシピを色々と聞いたので今度無限書庫の皆に振舞ってみようかな。
大体10分位で用意されたチーズが全て消費されると、はやてはレンゲに一掬いとっておもむろに僕の方を向く。

「んー、ちょい塩が足りんかな。 はいユーノ君、ちょお味見してみて。」
「うん…って、レンゲを渡してくれないと味見できないよ?」
「このままあーんってすればええやん。」

何を思ったか、にんにこ笑顔でこんな事を言い出しましたよこの人。
これも料理SSのお約束や、などと妙な事を口走っているけど何の事だかさっぱり分からない。
とはいえ、このまま何もしないと折角のフォンデュが台無しになってしまうので意を決してレンゲに口をつける。

「そうだね、ちょっとチーズの味が濃いかも。 塩はどれくらい入れればいい?」
「指先で一つまみくらいやな。 …って、何でわざわざ違うレンゲで味見するんよ!?」
「だっていちいち相手にするのも面倒じゃないか。」

僕の言葉にへの字口でム〜と唸るはやての様子が少し可愛いと思ったのは内緒だ。

「ところではやてちゃん、そろそろシグナムが帰ってくる頃ですしダイニングの方に持って行った方がいいんじゃないかしら?」
「あーそうやね。 こっちの味付けは私がやっとくからユーノ君は具の方を大皿に取り分けてな。」
「ん、分かったよ。」

十分に茹で上がった具を手早く水通しして大皿5皿に並々と盛り付ける。
野菜や海老がごちゃ混ぜになってるけど気にしない。
ザフィーラさん・シャマルさんと手分けして持つと、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
どうやらシグナムさんが帰ってきたらしい。
今手が空いているヴィータが玄関を開けに向かうのを視界の脇に捕らえながら僕らはダイニングまで大皿を運ぶ。

「ザフィーラさん、大皿はどこに置けばいいですか?」
「それならば浮かべておけるから卓上で手を離せば大丈夫だ。」
「最新式の浮遊魔法内蔵テーブルなんですよ〜。」

面白そうなのでつい買っちゃいましたー、と言いながらシャマルさんが説明してくれた。
なんでもあらかじめ登録したものを卓上に浮かべておく事が出来る機能がついたテーブルらしい。
最近はこんな面白い家具も発売されているんだなぁ。

「へぇ〜、面白いですね。 コレってどこで売ってるんです?」
「ソレはですね、駅前の「こ〜らユーノ君、そんなんやからお金が無くなるんよ?」
「あ、あはは…。」

キッチンからフォンデュ入り土鍋を持ってきたはやての一言に苦笑いするしかない。
そういえば今僕がここにいるのは元はと言えばお金が無いからだったっけ。
人間そう簡単に性分を変えられないとはいえ、確かにもうちょっと物欲を押さえた方がいい…かも。

「主はやて、ただいま戻りました。 むっ、何故スクライアがいるのですか?」
「おかえりー。 ユーノ君は私が誘ったんよ。 しばらくウチで厄介になるんでよろしゅうな。」
「お邪魔してますシグナムさん。 なんだか話の流れでこうなっちゃいまして…。」
「ふむ、主はやての申し出なら特に異論は無い。 自分の家のようにくつろぐと良い。」

仕事中だったため僕が来ている事が伝わっていなかったようで、ダイニングにいる僕を見て少しばかり驚いた様子のシグナムさん。
とはいえ基本はやての意見に忠実なので、はやて案だと分かると快く迎えてくれた。
そしてリモコンを手にテーブルにつくとテレビをニュース番組に変える。

「おいシグナム、あたし等がゲームしてるのに何ニュースつけてるんだよ!?」
「そうですよシグナムー! 早く戻してくださいです!」
「何を言うか。 ゲームなんかダラダラ続けても為にはならないぞ。」
「はいはい、その辺で止めにして夕食にするで〜。」

どこにでもいる普通の姉妹みたいに喧々囂々な3人からは精悍な守護騎士としての姿はまったく想像できない。
いや、リインが戦ってる姿は見た事無いんだけどね。
そんな3人をパンパンと手を叩いてなだめるはやては本当にお母さんって感じだなぁ。
所謂お誕生日席に家主のはやてが、シャマルさんとシグナムさん、ザフィーラさんとヴィータがそれぞれ対面に座り、僕ははやてと逆側のお誕生日席に座る。
リイン用の机と椅子は卓上のはやての傍に置かれており、専用の食器も用意されている。

「皆席に着いたね。 それじゃあ…。」
『いただきます!』

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