<< タイガー&ドラゴン | main | 第6話『バトル裁判・龍騎ワールド』 >>

スポンサーサイト

  • 2014.09.06 Saturday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


出会い頭のストロベリーサンデー

元々バレンタイン用に考えていたのですが、『別にバレンタインじゃなくてもいいんじゃね?』と考え直してシチュエーションを流用して書いてみたユーヴィタ風なSSっす。
某スレに投下した所、面白そうな続きの案を戴いたのでそれを加筆してみました。
ヴィータって個人的にはアインスについで動かしやすいキャラだったりします、何でだろう?
やっぱり前に1/1グラーフアイゼン作ったくらいだから何だかんだで愛着あるんだろうなぁ〜。













ある日、ユーノは考古学士会の集まりでクラナガンにある某大学にやって来ていた。
そしておよそ3時間ほど意見を交わして互いに実りのある成果を得てお開きになったのだが、予想よりも早くに終わった為少しばかりスケジュールに空きが出来てしまった。
別に早めに戻って無限書庫の業務に戻ってもいいのだが、久しぶりに地上に来た事もあってしばらくぶらつく事にした。

「ん〜、太陽を見るのも久しぶりだなぁ〜。」

ずっと似たような姿勢だった為、伸びをすると身体の節々からパキパキと小気味良い音が鳴り響く。
無重力化での業務なので普段からトレーニングが義務付けられてはいるものの、もう少し運動したほうが良いかなぁ、などと考えてながら町を練り歩くユーノ。
しばらく歩いて「そういえばあの骨董品屋まだあるかなぁ」と思いつき、そちらに歩を進めようとしたら突然後ろから声をかけられた。

「お前、もしかしてユーノか? 何でここに居るんだ?」

驚いて振り向くと、そこにはユーノより頭一つ分小さな身体を赤いセーターに黒のミニスカートと黒ニーソで包み、長い黒髪を後ろで軽くまとめた女性が立っていた。
なんとなく声には聞き覚えがあるのだが特に見覚えが無いので、ユーノは誰だろうと首を傾げながら訊ねる事にした。

「えっと、どちら様ですか?」
「どちら様ってあたしに決まって…って、この姿じゃ分かんねーか。 ほれ、コレで分かるだろ?」

そういうと彼女は首もとから紅い持ち手のハンマーを模したそのネックレスを取り出した。
見覚えのあるデザインなので一発で持ち主の彼女を思い出したが、記憶にある姿とあまりにもかけ離れているので恐る恐る正解を言ってみる

「まさかヴィータ、なの?」
「正解。 お前にも気付かれないのなら、いよいよあたしの変身魔法も様になってきたってモンだな。」

上機嫌にグラーフアイゼンをくるくる回しながら胸を張るヴィータ。
よくよく見れば確かに眼の色や顔に少女な彼女の面影が見え隠れするが、一見した程度では全く分からない程である。
以前海鳴に行く時にも変身魔法を使っていたが、その時はヴィータをそのまま成長させたような外見になっただけなので今回のように別人にもなれるとは思わなかったようだ。

「それにしてもその格好は一体どうしたのさ?」
「ほら、あたしの髪ってクラナガンじゃ珍しくて目立っちまうんだよ。 それに良く行く店が子供厳禁な所だからこうでもしねーとは入れないんだよ。」
「へぇ、ヴィータにもそんな行きつけの店があったんだ。」
「んだよ、あたしには似合わないって言いたいのか?」
「そんなんじゃないよ、ただ意外だなーって。」

身長差で上目遣いになった睨みを笑顔でかわされたヴィータは「はぁ〜」とわざとらしく溜め息をつくと、改めてユーノの方を向く。

「ところでユーノ、改めて聞くけど何でここに居るんだ?」
「学士会の集まりで地上に着たんだけど予定より早く終わっちゃってね。 それでここら辺をぶらついてたんだ。」
「なら今は暇なのか?」
「ん〜、まぁそうなるね。」

ユーノの答えを聞いたヴィータは「なら好都合だな」と彼の手をとって駆け出した。
いきなり引っ張られて体勢を崩しかけたユーノは何とか転ばすに付いて行くので精一杯だった。
そして2分にも満たない間にとある喫茶店の前に着き、漸く止まったヴィータに一体どういう事か聞くとこんな答えが返ってきた。

「今日と明日限定でこの店でタイムサービスやってて、今行けばギリギリ間に合うんだよ。 どうせ暇なんだったら付き合ってくれ。」
「別に僕が一緒じゃなくてもいいんじゃないの?」
「このタイムサービス、カップル限定なんだよ。 …って、もう時間無いからとにかく話は中で聞くぞ!」

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「で、これはどういうことかな?」

カウンター席に着き、限定サンデーを注文してホクホク顔のヴィータに半ば諦めの表情で聞くユーノ。
もちろん大体の事情は把握出来ているので一応の確認といった意味だが。
ちなみにユーノはコーヒーを頼んだ。

「さっき頼んだサンデーがカップルで行かないと注文出来ない限定品なんだよ。 明日もやってるからザフィーラ辺りに頼もうかと思ったけど、折角お前がいるんだから今日食べようかなって。」
「はぁ〜、まぁいいんだけどね。」
「コーヒー奢ってやるんだからそんな顔するなって。」

空気が読めるユーノは「問答無用で『お前コーヒーな』って言ったのに。」と口には出さなかったという。
強引に連れて来られたとはいえ、先程思いついた骨董品屋も別段行きたかった訳ではなかったので別に良いかなぁ、と考える事にした。
こうして他愛も無い世間話からわりかし機密事項に当たる様な裏側の話まで愚痴を交えつつ喋ること10分弱、注文の品が届いた。
大き目のグラスにチーズムースやクランチで構成されたサンデーの頂点に大きな苺が乗り、その横に小さなチョコケーキとストロベリーアイスが添えられている。
本来はカップルで一緒に食べるらしいそれをヴィータは独り占めして一口食べるごとに頬に手を添えてニンニコ笑顔になる。

「ん〜♪ やっぱ限定品だけあって美味しいなぁ〜。」
「そういう物なんだね。 僕には他の物とどう違うのかよく分からないや。」
「男って大抵そういう事言うよなぁ。 ザフィーラのヤツも『アイスなど大まかな味の差しか分からん』とか言ってこの微妙な差を分かろうとしねーし。」
「あー、でも確かにアイスは良く分からない味の区分があるよね。 前食べたストロベリーとベリーベリーストロベリーとか。」 

以前ユーノがなのはと一緒に行ったアイスクリーム屋で味の差について小一時間ほど講釈を受けたことを思い出しながら呟くと、ヴィータの眼がキラリと光った。

「お前なぁ、その二つはかなり味が違うぞ? さては栄養食品ばっかり食ってて舌が馬鹿になってるんじゃねーのか?」
「むっ、失敬な。 コレでも食生活はしっかりしてるし味だってちゃんと意識すれば分かるはずだよ?」
「ふ〜ん…、だったらちょっとこれ食ってみろよ。 このアイスがストロベリーとベリーベリーストロベリーのどっちに近いか、分かるんだろ?」

そう言うとヴィータは手に持っていたスプーンで紅が鮮やかなストロベリーアイスを一口分掬い上げてユーノの前に差し出す。
周りから見ると恋人に『アーン』とする場面だが、そんな事に気付かないユーノはそのままパクリと口に含む。
しばらく味わって記憶の中の味と比べてみたがどうも両方と同じ様な感じがしてしまう。
結局差が分からなかったユーノは両手を挙げて降参した。

「あー駄目だ、やっぱり細かい味の差は分からなかったよ。」
「ほれみろ〜。 あまり身の丈以上の事は言わねー方がいいぞ?」
「全くだね、善処するよ。」

片目でスプーンを突きつけられながら言われて苦笑いしながらコーヒーを口にするユーノ。
その様子が可笑しかったのかヴィータは思わずクスクス笑いながらサンデーのクタンチ部分をパクつく。



「…でさ、そこで見つけたのが鈴色の鳥の羽で…っと、もう戻る時間か。」
「そうなのか? もっとゆっくりしてきゃいいのに。」

30分ほど最近行った遺跡の話で盛り上がっていると、腕時計を見てそう呟くユーノ。
ちょうどいい所まで進んでいたので少しばかり名残惜しそうなヴィータであったが、ユーノにも予定が詰まっているので仕方がない。
ユーノは後ろ髪を引かれつつも残ったコーヒーを飲み干した。

「そういうわけにもいかないよ。 これでも割と責任がある立場だし遅れると皆に示しが付かないからさ。」
「はぁ、しょうがないか。 また遺跡の話聞かせてくれよ?」
「もちろんだよ。 なんだったら今度は僕のオススメの見せて奢ってあげるよ。」

ウィンクしながら告げるヴィータに「もちろんあまりに高額なのは無理だけどね」と付け足しながら微笑むユーノ。
自分の好きな事を興味を持って聞いてくれるというのはそれだけで嬉しいもので、突然のお茶会ではあったが気分が良かった。
この店のコーヒーも美味しかったので、紹介してくれたお礼も含めてそんな約束を口にしたユーノであった。

「ユーノ、今日はありがとうな。」
「まぁコーヒーを奢ってもらったし、それでおあいこだよ。」
「ん、そうだったな。 っと、そうだ。」

席を立とうとしたユーノにチョイチョイと近づくようにジェスチャーで伝える。
それに従って顔を近づけると、ヴィータは小声で囁いた。

「今日のこと、誰にも言うなよ?」
「別に構わないけど、何でさ?」
「こんな格好出来るなんてはやてにバレたら色々とされそうでね…。」
「あー…、分かったよ。」

ユーノは「気心の知れた相手に対して行われるスキンシップに困っているが立場上強く言えなくて困っている」と某烈火の将から愚痴られた事を思い出して納得する。
出会い頭に彼が驚いたように、身内にもそこまで変身魔法の精度が高くないと思わせているのもそれが原因だろう。
そして相変わらずな幼馴染の悪癖に溜め息をつきながら席を立つ。

「それじゃあ、またね。」
「あぁ、またな。」

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

次の日、いつもの様に検索業務に勤しむユーノであったが、なにやら周りの様子がおかしくて居心地が悪い。
なにやら自分の方を見てヒソヒソ話をしている司書達。
彼らの方に眼を向けるとすぐさま視線を逸らして仕事を再開するその姿な明らかに何かを隠している。
どうにも気になって直接聞こうとしたその時、ユーノの前に通信ウィンドウが開いた。

『司書長、お客様がお見えになりました。』
『どなた様かな?』
『高町教導官ご一行です。』
『ご一行? …まぁいいや、すぐ行くから待合室に通して。』

指示を出してから回りに浮かべていた本を元の場所に飛ばし、自身も書架の出口へと飛ぶユーノ。
一体何の用だろう?
そう考える彼の頭からは先程の疑問はすっぽりと抜け落ちていた。
…待合室に着いたユーノを出迎えた彼女らの雰囲気を肌で感じるまでは。

「や、やぁ皆。 一体どうし「ユーノ君、彼女がいるって本当なの!?」…はい?」

開口一番飛び出したセリフにユーノは思わず固まった。

「あの…なのは、一体何の事?」
「だって昨日ユーノ君がクラナガンの喫茶店で見た事もない女の人と一緒だったって噂があるんだよ!?」
「しかも画像付きだから言い逃れは出来ないよ、ユーノ?」
「さぁ、キリキリ吐いてもらおうかぁ〜?」

フェイトが取り出した写真には昨日変装したヴィータと一緒にいたユーノの姿がバッチリと映っていた。
叱られて苦笑いするユーノ、あーんをしてもらうユーノ、楽しげに話すユーノ。
ユーノからすれば相手は10年来の友人なのでさして気にしていなかったのだが、事情を知らないものが見たらその様子はまるでデートの最中かの様だった。
このままではいけないと誤解を解くべく写真に写った女性の正体を明かそうとしたその時、脳内に響く声が一つ。

『あたしとの約束、覚えているよな?』
『ヴィ、ヴィータ!? 何でココに…?』
『そりゃあおめーが妙な事を口走らねーようにな。』

突然の念話に驚いて周りを窺うと、なのは達の影に隠れていた念話の主と目が合う。

『でも、ココで正直に言わないと僕の身が危ないと思うんだけど…。』
『バラされたらあたしの身が危ないからな。 何とかして誤魔化せ。』

満面の笑みでユーノに丸投げするヴィータ。
いくらなんでも無茶苦茶な言い草だったので反論しようとしたが、それに先んじてヴィータは首元から取り出したネックレスとちらつかせる。

『グラーフの汚れって落ちにくいんだよなぁ〜。』
『くっ…卑怯だよヴィータ…。』
『今度もあたしが奢ってやるから頑張れよ〜。』

「世の中は、こんなはずじゃなかった事だらけだよ」悪友の口癖を思い出しながらあの店で一番高い料理をたかってやると心に決めるユーノであった。

スポンサーサイト

  • 2014.09.06 Saturday
  • -
  • 14:53
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
profile
ウェブ拍手
Twitter
リンク
〜ホームページ〜

過去にブログで載せた作品達の展示もやっています。
当サイト内リンクスペースはこちら(別窓)
こちらで作品展示しています。
〜東方Project〜

東方サーチ
森近 霖之助@wiki
We Are Funky Chicken(う〜太 氏)
人生道草(道草 氏)
しゅまの拝み屋殴り旅 (しゅま 氏)
イッシーのほのぼのなブログ(イッシー13 氏)
HopefulDreams(浅村緋織 氏)
月下の鈴(鈴月 氏)
猫飯亭〜ねこまんまてい〜(ひげねこ 氏)
灯琳堂(さとや 氏)
チェねずみ(チェけん 氏)
植木投げの法(生植木 氏) 
にらたまごかけごはん(韮白 氏)
竜のねぐら(はみゅん 氏)
おかわり自由(しゃもじ 氏)
十四郎亭の出納帳(十四郎 氏)
Rapunzel(暁リト 氏)
天狗のしわざ。(jardio 氏)
$貯金日誌(ドルルン 氏)
矢本堂落書市(yamoto 氏)
独創性皆無(Yすけ 氏)
國城屋(國城 氏)
こたびの物置(こたび 氏)
淡色の空(淡色 氏)
自分らしく……(ark 氏)
Evolution&ReraOrganization (鬼狼・鬼干瓜 氏)
カレハベース(SAG 氏)
きっと大事な落とし物(拝 一樹 氏)
鳩の戦記(鳩 氏)
煙のように(うるま なお 氏)
〜リリカルなのは〜

ユーなの同盟
『君の中へ』をカラオケに
魔法少女リリカルなのは ポータル「時空管理局」
無限書庫の風景(仮)
日々、自由、哉。(朱雅 氏)
ものがたり屋。ブログ(ショウ 氏)
いつか見上げた、あの青空の下で・・・(マスターうー 氏)
selected entries
categories
archives
recent comment
search this site.
recommend
sponsored links
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM